起業するような方にはとてもユニークな方が多いといいますが、野村紘一さんもその例に漏れないユニークな方だと思います。この方のことを知ったのはつい最近のことなのですが、たくさんの武勇伝や面白いエピソードをお持ちの方で、非常に魅力溢れる経営者です。私もこのような人になりたいと思いますが、一生追いつけないような気がするのも否定できません。それくらいスケールの大きな方です。
野村紘一さんの武勇伝として一番有名なのが、なんといっても日本初の1億円超えの超高級マンションを売り出したことでしょう。1975年に、都内で1億円もする高級マンションを売り出し、それがどんどん売れて日本に超高級マンションの流行をもたらしたのが野村紘一さんに他なりません。1億円のマンションなんてたいしたことないと今の人は思うかもしれませんが、1975年当時の1億円は今の1億円とは価値が違います。当時の都内の3LDKマンションの平均価格が1500万円くらいですから、1億円のマンションといったら、まさにセレブ御用達の超高級マンションに他なりません。そんなものをよく売りに出したなという感じがします。周囲からは当然反発の嵐だったようですが、野村紘一さんは自分の信念を貫きました。このへんの自分の信じた道を行く姿勢は、男気があってとても感動します。
でも、世の中には自分の信じた道を突き進んで失敗する人が多いのも事実ではないでしょうか。野村さんのように成功者となるか、それとも敗者となるかの分かれ道は、やはり時代の流れを敏感に察知できるかどうかにかかっているように思います。野村紘一さんは、なにも闇雲に高級マンションを売り出したわけではありません。これからは高級マンションが売れるという冷徹な計算が頭の中にあってやったことなので、成功者になりえたのでしょう。我が道を行くという度胸がある人は世の中にはけっこう多いですが、時代の先を正確に読める人は意外と少ないかもしれません。
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