日本の不動産を取り巻く環境はこれからどんどん厳しくなっていくと専門家が指摘をしていました。少子化であることから、不動産経営は悪くなる一方であり、それに伴い土地の買い手が少ないことから本来あるはずの価値を見出すことができるなくなるようです。しかし野村紘一さんはまったく逆の発想で富を得て、そして日本を動かすまでになりました。
野村紘一さんがしてきたことは、土地に付加価値を付けることです。土地は良いのに、そこに建物がないことで有効利用ができていないことを目にした野村さんは、そこにマンションを建設することにしました。そのマンションは1億円以上もするいわゆる億ションという建物です。
多くの不動産経営者はそんなマンションなんて売れるはずがないと、高をくくっていましたが、それを裏切りすべて完売させるほどの経営を見せてくれました。土地にマンションという付加価値を付けることで、バブルが弾けた時代でも売り切った野村紘一の慧眼はすごいと感じます。
さらにすごいのは日本の法律までも作ってしまったことです。もちろん彼は経営者になりますので、国会議員ではありませんが、土地に建物という付加価値を付けることによって、それに伴う法律を作らざるを得ない状況に追い込むことになります。
等価交換方式と呼ばれる手法であり、土地所有者がお金を持っていないことで建物を建設できないときに、デベロッパーが土地の一部を購入してマンションの建設費にあて、そのマンションを土地所有者に一部譲ることによってウィンウィンの関係を築く方法です。いまでは一般化していることから、ここまでも野村紘一さんが動かしてきたことがわかります。
時代背景もありますが、それでもこれから土地の有効活用が問題提起されている今、野村さんから学ぶことができることが日本は多いように感じます。土地に付加価値を付けることに意味を見出すことにヒントが隠されているような気がするのです。
PR